製品基本Q&A

ガニレスト®(ガニレリクス酢酸塩)

製品情報

ガニレリクス酢酸塩注射剤のシリンジはどのような形態ですか?

使い捨ての滅菌プレフィルドシリンジ1mL容器に、ガニレリクス酢酸塩250μg/0.5mLを含有します。
滅菌プレフィルドシリンジには、27gauge×0.5inchの針が添付され、ブリスター包装されています。
(米国の添付文書より)

国内第Ⅱ相試験の成績は?

国内第Ⅱ相試験( 無作為化並行用量反応試験、38649試験)

日本人女性における本剤の用量-反応関係を検討するため、38649試験では、本剤の3用量(0.125、0.25、0.5mgの1日1回皮下投与)を比較した。
本剤投与中のLH上昇の発現に関して、統計学的に有意な用量反応関係が認められ(p=0.0008、Cochran-Armitage検定)、調節卵巣刺激を実施する女性において早期LH上昇を抑制する最小有効用量は0.25mg/日であった。hCG投与日における卵胞数及び良好胚数は3群間で同程度であった。さらに0.25mg群では、胎児心拍陽性妊娠率に関して良好な臨床成績が得られ、胚移植例あたりの胎児心拍陽性妊娠率25.6%(20/78例)であった。
副作用として、0.125mg群では「錯感覚」、「動悸」、「倦怠感」が、0.25mg群及び0.5mg群では「注射部位紅斑」、「注射部位浮腫」が各1例ずつ発現した。

GnRHアゴニストとGnRHアンタゴニストの違いは?

GnRHアゴニストは、投与初期には下垂体のゴナドトロピン分泌を刺激し(フレアアップ現象)、更に繰り返し投与することにより、GnRH受容体の結合能及び細胞内シグナル伝達の効率を低下させ、GnRHの受容体を減少させます(ダウンレギュレーション)。このダウンレギュレーションにより、LH及び卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌は減少し、性腺機能は低下します。GnRHアゴニスト使用時には、ダウンレギュレーションに至るまでの期間、投与が必要です。
GnRHアンタゴニストは、内因性GnRHと競合してヒト下垂体のGnRH受容体に直接結合し、下垂体からのゴナドトロピン分泌を抑制します。このため、投与初期のフレアアップ現象がなく、迅速なゴナドトロピン分泌抑制作用が期待できます。

使用方法

適用上の注意は?

皮下注射の際、投与部位として下腹部又は大腿部が望ましいです。
注射による局所刺激を最小限にするために、注射部位は毎回変更して同一部位への反復投与は避けてください。
注射針が血管内に刺入していないことをご確認ください。

<引用>
添付文書

7.用法及び用量に関連する注意の、7.5に、本剤投与間隔並びに本剤の最終投与と卵胞の最終成熟に使用する薬剤(hCG、GnRH アゴニスト等)投与との間隔は30時間を超えないようにすること、の記載がある理由は?

本剤投与間隔並びに本剤の最終投与とhCG製剤投与との間隔が30時間を超えると早期黄体形成ホルモン(LH)サージが起きる可能性がある為です。
30時間を超えた場合には,本剤による十分なLH抑制が期待できず,早期LHサージが起きる可能性があるため,注意が必要です。

生殖補助医療に関連する基本的注意は?

本剤の投与開始前に、患者の婦人科的及び内分泌学的検査を十分に行ってください。なお、検査には配偶者の受精能検査も含まれます。
不妊治療において、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)があらわれることがあります。自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、腰痛等)や急激な体重増加が認められた場合には、直ちに医師に等に相談するよう、あらかじめ患者へご説明ください。

<引用>
添付文書

用法及び用量に関連する注意は?

卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤を用いた調節卵巣刺激は月経周期の2日目又は3日目から行ってください。
本剤の投与開始時期はFSH製剤の投与開始6日目としておりますが、医師の判断により投与開始時期を調節してくだだい。
FSH製剤の投与量は発育卵胞の数及びサイズに基づき調整してください。本剤の投与は適当な大きさの卵胞が十分発育するまで続けてください。本剤の最終投与後は、卵胞の最終的な成熟を行ってください。
本剤とFSH製剤はほぼ同時期に投与すべきですが、注射液は混合せず、注射部位は別にしてください。
ガニレリクスの消失半減期を考慮し、本剤投与間隔並びに本剤の最終投与と卵胞の最終成熟に使用する薬剤(hCG、GnRHアゴニスト等)投与との間隔は30時間を超えないようにしてください。30時間を超えると早期黄体形成ホルモン(LH)サージが起きる可能性があります。

<引用>
添付文書

本剤に関連する 重要な基本的注意は?

本剤は、不妊治療に十分な知識及び経験のある医師のもとで使用してください。調節卵巣刺激により予測されるリスク及び注意すべき症状について、あらかじめ患者に説明を行ってください。
FSH製剤とともに本剤を投与した患者に、頻度は低いが、発疹、顔面腫脹、呼吸困難等の過敏症があらわれたとの報告があります。
本剤の注射針のシールドは乾燥天然ゴム(ラテックス類縁物質)を含み、アレルギー反応を起こすことがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。

<引用>
添付文書

在宅自己注射に関連する基本的注意は?

在宅自己注射を行う場合は、患者に投与法及び安全な廃棄方法の指導を行ってください。
(1) 自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施してください。また、投与する際の操作方法を指導してください。適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な場合には、直ちに自己投与を中止させるなど適切な処置を行ってください。
(2) 使用済みの針付きシリンジを再使用しないように患者に注意を促してください。
(3) 全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底してください。同時に、使用済みの針付きシリンジ等を廃棄する容器を提供することが望ましいです。
(4) 在宅自己注射を行う前に、本剤の「自己注射ガイド」を必ず読むよう指導してください。

<引用>
添付文書

安全性

製剤の各種条件下における安定性は?

長期保存試験で、5℃/ 成り行き湿度、25℃/60%RH、30℃/60%RHの保存条件で36箇月保存し、規格の範囲内でした。
加速試験で、40℃/75%RHの保存条件で6箇月保存し、規格の範囲内でした。
苛酷試験(光)では、近紫外線、白色蛍光に対し、曝光試料は遮光試料に対してして類縁物質の増加及び含量の減少を認めた。

その他の副作用の内容は?

その他の副作用として以下の報告がございます。
(精神神経系)頭痛、緊張性頭痛
(消化管)悪心、腹部膨満
(生殖系)骨盤痛
(投与部位)注射部位紅斑、注射部位浮腫、注射部位反応、注射部位そう痒感、注射部位発疹、注射部位腫脹、易刺激性
(過敏症)発疹、顔面腫脹、呼吸困難、血管性浮腫、蕁麻疹
(その他)疲労、倦怠感

<引用>
添付文書

保険

ガニレストを在宅自己注射した場合に、「在宅自己注射指導管理料」は算定できますか?

本製剤の在宅自己注射を行っている患者様に対して指導管理を行った場合には、在宅自己注射指導管理料「C101」を算定できます。
一方、本剤は針付注射器一体型のキットであるため、在宅自己注射指導管理料を算定する場合、注入器加算「C151」及び注射器用注射針加算「C153 」は算定できません。

詳細は、地方厚生局の各都道府県事務所へお問い合わせをお願いいたします。