レメロン®臨床成績 プラセボ対照試験

「禁忌を含む使用上の注意」等についてはDIをご参照ください。

臨床成績:レメロン®国内第Ⅱ相二重盲検並行群間比較試験(対照薬:プラセボ)(用量検討試験)

(1)試験概要

プラセボ対照比較試験(承認時評価資料)

目 的:うつ病及びうつ状態の患者を対象に、レメロン®の有効性について、プラセボ群に対するレメロン®30mg/日の優越性を検証するとともに、プラセボ群、レメロン®15mg/日群、30mg/日群及び45mg/日群の用量反応関係を推定する。
対 象:うつ病及びうつ状態の患者280例
デザイン:プラセボ対照、多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験
投与方法:   投与群として、レメロン®15mg/日群、30mg/日群、45mg/日群及びプラセボ群の4群を設定した。
全てのレメロン®投与群で初期用量は15mg/日とし、30mg/日群及び45mg/日群は2週目に30mgへ強制増量、45mg/日群は3週目に45mgへ強制増量し、各群共に増量後は用量を維持した。
投与期間は6週間とし、1日1回、就寝前に経口投与することとした。
評価項目:主要評価項目:投与終了(中止)時のHAM-D合計スコア(17項目)の投与開始前からの変化量
その他の評価項目:HAM-D合計スコア(17項目)変化量の推移
解析計画:主要解析として、投与開始時のHAM-D合計スコア(17項目)を共変量とした共分散分析(ANCOVA)を用い、LOCFによるレメロン®30mg/日群とプラセボ群の群間比較を行った。主要解析対象集団はFAS(安全性評価症例280例より対象外疾患症例1例、HAM-D評価欠測症例9例を除外した270例)とした。また、同様の解析で、レメロン® 15mg/日群及び40mg/日群とプラセボ群の群間比較を行った。
サブグループ解析:治験実施後に投与開始7日目までの早期中止例がレメロン® 45mg/日群の結果に影響を与えていたと考えられたため、これらを除外した解析を実施した。
判定基準:HAM-D合計スコア(17項目)の変化

(2)有効性

レメロン®30mg/日群の投与終了(中止)時のHAM-D合計スコア(17項目)の投与開始前からの変化量(LOCF:LastObservation Carried Forward、最終観察時引き伸ばしデータ、主要評価項目)は、プラセボ群に比較して有意に大きく、レメロン®30mg/日群のプラセボ群に対する有意差が認められた。また、レメロン®15mg/日群についてもプラセボ群に対する有意差が認められた。なお、レメロン®45mg/日群での効果は、30mg/日群を上回るものではなかった。投与開始7日目までの中止例が、45mg/日群で多く、これらを除いた集団において、投与開始前からの変化量(LOCF)を集計した結果、投与6週間後の変化量(LOCF)はプラセボ群と比較して、レメロン®のいずれの投与群においても有意な減少が認められた。

■HAM-D合計スコア(17項目)の投与終了(中止)時の変化量(LOCF、主要評価項目)

投与群症例数HAM-D変化量注1)注2)(95%信頼区間)
プラセボ群70−10.4(7.5) 
レメロン®15mg/日群65−13.3(6.8)*−2.8(−5.3~−0.4)
レメロン®30mg/日群66−13.8(6.9)*−3.4(−5.8~−1.0)
レメロン®45mg/日群69−11.9(7.6)−1.6(−4.2~ 0.9)

注1):平均値(標準偏差)
注2):プラセボ群に対する最小2乗平均の差の推定値
*:p<0.05 プラセボ群に対して有意差あり(ANCOVA)

■HAM-D合計スコア(17項目)変化量の推移(LOCF、その他の評価項目)

■HAM-D合計スコア(17項目)の投与終了(中止)時の変化量(LOCF、投与開始7日目までの中止例を除外、主要評価項目のサブグループ解析)

投与群症例数HAM-D変化量注1)注2)(95%信頼区間)
プラセボ群67−10.7(7.4) 
レメロン®15mg/日群63−13.8(6.5)*−2.8(−5.3~−0.4)
レメロン®30mg/日群64−14.3(6.4)*−3.5(−5.8~−1.1)
レメロン®45mg/日群63−13.3(6.3)*−2.7(−5.1~−0.3)

注1):平均値(標準偏差)
注2):プラセボ群に対する最小2乗平均の差の推定値
*:p<0.05 プラセボ群に対して有意差あり(ANCOVA)

■HAM-D合計スコア(17項目)変化量の推移(LOCF、投与開始7日目までの中止例を除外、その他の評価項目のサブグループ解析)

(3)安全性

レメロン®群では、安全性評価対象症例210例中172例(81.9%)、プラセボ群では、安全性評価対象症例70例中47例(67.1%)に副作用が認められた。主なものは、レメロン®群で傾眠99例(47.1%)、口渇42例(20.0%)、プラセボ群で傾眠21例(30.0%)、口渇10例(14.3%)であった。
なお、いずれの投与群においても、死亡例を含む重篤な副作用は認められなかった。レメロン®群における投与中止に至った副作用は11例に15件(傾眠及び軽躁が各2件、味覚異常、構音障害、倦怠感、頭痛、感覚鈍麻、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、白血球数減少、躁病、胸部不快感及び発疹が各1件)に認められた。

■いずれかの投与群で5%以上発現した副作用

【用法及び用量】
通常、成人にはミルタザピンとして1日15mgを初期用量とし、15~30mgを1日1回就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ1日45mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ行うこと。