製品基本Q&A

レメロン®(ミルタザピン)

製品情報

効能又は効果は?

うつ病・うつ状態です。
〈効能又は効果に関連する注意〉
1. 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮してください。
2. 本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討してください。
<引用>
添付文書

作用機序は?

ミルタザピンは中枢のシナプス前α2アドレナリン自己受容体及びヘテロ受容体に対して拮抗作用を示し、中枢のセロトニン及びノルアドレナリンの両方の神経伝達を増強させます。ミルタザピンは5-HT2及び5-HT3受容体を阻害するため、セロトニンの神経伝達増大により主に5-HT1受容体が活性化されます。ミルタザピンのS(+)鏡像異性体はα2受容体と5-HT2受容体を主に阻害し、R(-)鏡像異性体は5-HT3受容体を主に阻害します。N-脱メチル代謝物はラット脳で唯一検出された代謝物で、α2受容体、5-HT2受容体及び5-HT3受容体への親和性はミルタザピンと同程度でした。
<引用>
添付文書

コーティング錠にした理由は?

遮光とミルタザピンの苦味をマスキングするためです。

使用方法

用法及び用量は?

通常、成人にはミルタザピンとして1日15mgを初期用量とし、15~30mgを1日1回就寝前に経口投与します。なお、年齢、症状に応じ1日45mgを超えない範囲で適宜増減しますが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ投与を行ってください。
〈用法及び用量に関連する注意〉
本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら投与してください。
<引用>
添付文書

高齢者への投与は?

患者の状態を十分に観察しながら、慎重に投与してください。血中濃度が上昇するおそれがあります。
<引用>
添付文書

妊婦、授乳婦等への投与は?

〔妊婦〕
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。妊娠及び授乳期のラットに100mg/kg/日を経口投与(ヒトに45mgを投与したときの全身曝露量(AUC)の約2倍に相当)すると、着床後死亡率の上昇、出生児の体重増加抑制及び死亡率の増加が観察されました。

〔授乳婦〕
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続若しくは中止又は本剤投与の継続若しくは中止を検討してください。動物及びヒトで乳汁中に移行することが報告されています。
<引用>
添付文書

小児等への投与は?

1. 小児等を対象とした国内臨床試験は実施していません。
2. 海外で実施された7~17歳の大うつ病性障害(DSM-IV 注)における分類)患者を対象としたプラセボ対照の臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告があります。
注)DSM-IV:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical
  Manual of Mental Disorders, 4th edition(DSM-IV精神疾患の診断・統計マニュアル)<引用>
添付文書

過量投与の場合は?

1. 症状
主な症状として頻脈、高血圧又は低血圧を伴う見当識障害及び鎮静作用等の中枢神経系の抑制が報告されています。
2. 処置
特異的な解毒剤はありません。必要に応じて、活性炭投与等の適切な処置を行ってください。
<引用>
添付文書

錠剤を分割して投与できますか?

【適応外】
本剤を分割して投与することは、承認外の用法となります。
分割後の安定性について検討していませんので、おすすめできません。
レメロン®錠の線は「割線」ではなく「デザイン線」であるため、割って投与することはできません。

粉砕して投与できますか?

【適応外】
本剤を粉砕して投与することは、承認外の用法となります。
粉砕して投与した際の薬物動態、有効性、安全性は検討していませんので、おすすめしていません。
粉砕後の安定性データはありません。

分包・⼀包化はできますか?

本剤を分包、又は他剤と⼀包化した際の安定性について検討していませんので、おすすめしていません。

簡易懸濁して投与できますか?

【適応外】
本剤を簡易懸濁して投与することは、承認外の用法となります。
簡易懸濁にて投与した際の薬物動態、有効性、安全性は検討していませんので、おすすめしていません。
簡易懸濁後の安定性データはありません。

安全性

重大な副作用は?

重大な副作用としてセロトニン症候群(頻度不明)、無顆粒球症、好中球減少症(いずれも頻度不明)、痙攣(頻度不明)、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)、QT延長、心室頻拍(いずれも頻度不明)があらわれることがあります。
<引用>
添付文書

主な副作用は?

主な副作用は、5%以上に発現したものが体重増加、倦怠感、傾眠、浮動性めまい、頭痛、便秘、口渇、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇でした。
なお、詳細につきましては添付文書における副作用及び各臨床成績の安全性をご参照ください。